マツダMX-5初代 英国では大バーゲン 歴史や中古相場を見つめる
公開 : 2018.01.06 15:40
すべては「走る」ために
似ているのは外見だけに留まらない。
エランの素晴らしい動力性能はそのツイン・オーバーヘッド・カム・エンジンによるところも大きく、軽量なこのロードスターを0-97km/h加速7.6秒、最高速度190km/hで走らせた。
当時の責任者はMX-5の開発初期段階で既にこのエランと同じ形式のエンジンを採用することを決めていた。ファミリアGTに搭載されていた1.6ℓエンジンをベースにすることにしたのだが、しかし、このエンジンはセダン向けに中低速トルク型となっていたため、すぐにこのままでは十分ではないということになった。
新エンジンも同じボアとストロークで排気量は1597ccのままだったが、タイミング、クランクシャフトとフライホイールには、より高回転を許容するための改良が施された。
エンジンは縦置きされ、カムカバーもアルファやフィアット、そしてもちろんエランに搭載されていたようなツインカム・エンジンとそっくりな(もちろん偶然ではない)外観を与えられることになった。
この活発な1.6ℓエンジンは、規制変更に伴う1994年モデルのわずかな重量増さえ無ければ、間違いなく5年以上に渡って最高スペックのエンジンとして存在することになっただろうが、車重が増えたMX-5のパフォーマンスを維持するためにエンジン排気量の拡大が選択された。今回もマツダはファミリアGTに目を付け、130psを発するそのBP型エンジンをベースに新エンジンを開発することにしたのだ。
エンジンの出力アップに加え、ボディもフロントとリアに「パフォーマンス・ロッド」を追加してねじり剛性を強化する一方、ボディの曲げを抑制するため、上部シートベルト・アンカーを繋ぐブレースバーが設置された。
ブレーキ・ディスク径もフロント、リアともに20mm拡大され、初期モデルのビスカス式に代えてトルセン式LSDが採用された。ホイールも5.5Jに代えて、より幅広だが軽量な6Jを採用していた。この結果、重量増にもかかわらず、MX-5はB級路において依然として夢中になって影を追いかける狩猟犬のような情熱を保っていた。
ならば、このモデルを選ぶべきだろうか?