マツダMX-5初代 英国では大バーゲン 歴史や中古相場を見つめる

公開 : 2018.01.06 15:40

1.6ℓと1.8ℓ それぞれの違い

重量を増した1.8iが体は大きいが臆病な大型犬だとしたら、1.6ℓモデルは小さくても勇敢な小型犬というところだろう。初期の1.6ℓモデルに積まれたエンジンの方が出力は16ps少ないが、この出力差もピーキーで回すほどに元気になるキャラクターが十分埋め合わせてくれる。

重くなった1.8ℓもこのモデル単体で見れば十分活気のあるクルマだが、比べてみれば、高性能なエアーフィルターとノーマルに代えて取り付けられた抜けの良いステンレス製マフラーのお陰で、アクセルに即座に反応するリア・タイヤを持った1.6ℓモデルの方がよりダイレクトな興奮を味わわせてくれる。

1.8ℓが劣っているという訳ではなく、このエンジンも素晴らしいできではあるのだが、やはり1.6ℓに比べればそのフィールは物足りない。同じルートを走ってみれば、1.8iの方が大人しく活気が足りないように感じられるのだ。

このエンジンで活発に走るには慎重なアクセル操作が求められる。エンジンの回転上昇は1.6ℓよりも遅いが、一旦タコメーターの針が頂点を越えると、1.6ℓと同じようにこの4気筒も素晴らしいサウンドを響かせる。そして間違いなく1.8ℓエンジンの方が制限速度に到達するのは速い。

しかし、MX-5の真の実力はエンジンやスタートダッシュの鋭さにではなく、素晴らしいハンドリングにあり、その魅力は今日ここに連れて来た2台の初代モデルに共通するものだ。エンジン排気量にかかわらず、素晴らしいバランスを保つために細心の注意が払われたMX-5は、ハンガーフォードの峠道で実力を存分に発揮してくれる。

例え激しく攻め立ててもボディ・ロールは最小限であり、ダブルウィッシュボーン式サスペンションに支えられた4輪が常に路面をつかんで離さない。

さらに、今日連れ出した1991年発売のユーノス初の限定モデルであるJ-リミテッドには、1.8ℓエンジンを積んだよりパワフルなライバルに対して、豊富に用意されたオプションというアドバンテージがある。

もっとも明確な違いはパワーステアリングだろう。

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