ドライバーズカー選手権2017(4) トップ3を発表
公開 : 2018.01.04 15:40 更新 : 2018.01.04 16:45
720S 雨が敵にも味方にも
DB11が、悪天候に襲われたウィルトシャー州のカッスル・クーム・サーキットで、これほどの好印象を残すとは考えていなかったが、期待の高かったマクラーレン720Sは、予想通り、天候に左右されてしまった。総合的な評価は、若干低くなったはずだ。
アストン マーティン同様、マクラーレンも工場出荷時のままの高性能なロードタイヤを装着しており、雨天を一応、処理はしてくれた。さほど速くないスピードなら、コントロールを失うことはないと思うかもしれないが、720psのマシンのドライビングを何とか支えていたのは、ミドシップの優れたシャシーによるところが大きい。
クルマの持つ強大なパフォーマンスを全て発揮することは不可能だったし、陶酔するようなエキサイトさも、すっかり奪われてしまった。しかし、極めて正確な動きで上下振動を処理しながら、しっかりとしたグリップ力を保持する、カーボンタブとリアサブフレームが生み出す安定性の高さは、注目に値するものだった。
またマクラーレンのトラクション・コントロールは、ノミネート車両のなかでも極めて効果的に機能したうえ、全てをオフにしても、恐怖感は感じられなかった。敏捷性が高いだけでなく、バランスが良いため、神経質さとは無縁。懐も深く、安全性も期待通りだった。
アクセルペダルのわずかな動きに対するレスポンスも、正確性が高くリニアなもので、ブレーキペダルの踏力や、ステアリング操舵に対しても、同様。フランケルは、クルマの穏やかなドライビング特性に衝撃を受けたようで、「限界を感じさせない旋回性能と、ブレーキとステアリングの味付けは第一級」と賞賛する。他のドライバーも同様だった。
こうなると、リアエンジンのレイアウトにカップタイヤを装着したポルシェが、どのような走りを披露したのか、疑問に思えるかもしれない。