5代目VWゴルフGTIは今、「買い」なのか?
公開 : 2018.01.04 17:40
考えるより走れ! 「GTIの復権」
シフトノブやクラッチペダルなどは、ややもすると軽すぎる嫌いはあるが、操作はしやすい。2.0ℓ直4ターボのアイドリング音はとても静かだから、エンジンスタートの儀式に特別感はない。ドラマティックではない分、ご近所との関係を壊す心配も無用だ。
しかし、このエンジンは只者ではない。走り出しただけでは分かりづらいが、非常にフレキシブル。田舎道を4速まで使い走り回ると、おもわず顔がほころんでしまう。ペダルを踏み込むと、あっという間に100km/h。速度制限の標識は見落とさないよう心掛けたい。
カタログスペックは200psと28.5kg-mだが、実際はもっと力強く感じる。現行のゴルフRほどではないにしても、ターボを効かせて弾かれるような感覚があり、交通の流れを余裕をもってリードすることができる。クルマ社会のヒエラルキーをものともしない力が、確かに存在するのだ。
そのうえ、ハンドリングは特筆に値する。メガーヌ・ルノー・スポールがサーキットの勝者なら、公道はGTIだ。道路の轍やうねりを受け流す底力は、実に頼もしい。 コーナリングの途中で、おもいもよらぬバンプに遭遇しても、挙動を乱さないグリップ性能には惚れ惚れしてしまう。