アウディA3 1.6TDI スポーツ

公開 : 2013.02.09 17:23  更新 : 2017.05.29 18:18

■どんなクルマ?

アウディA3のラインナップの中で、最もパワーが少ないモデルがこの1.6TDIだ。しかし、パワーとの引き換えに得た99g/kmのCO2排出量は、VED税と、ロンドン混雑課金から免除を獲得している。また、同じスポーツ・トリムのガソリン・エンジン・モデルよりも1,000ポンド(14.6万円)安いのも魅力である。また、その燃費は26.3km/ℓと非常に良い値をマークするのである。

今回、われわれがテストした、中間グレードのスポーツは、デュアル・ゾーン・エアコン、スポーツ・シート、15mm車高が低くなるスポーツ・サスペンションを装着していた。

■どんな感じ?

この1.6TDIの評価を行う前に、はっきりしておかなければならないことがある。それは、われわれのロード・テストでも明白になったように、アウディA3は本当に素晴らしいクルマであるということだ。そのすべてが想像どおりの出来で、インテリアのフィニッシュも素晴らしい。但し、その一方で、ドライバーをエキサイトさせるような類のクルマではないことも事実だ。

1.6TDIの1.6ℓディーゼル・エンジンは、3000rpmで104bhpのピーク・パワーを、そして1500rpmで25.4kg-mのピーク・トルクを発揮するもので、充分な力を持つエンジンではあるが、何の変哲もないペースを淡々と刻む類のパワー・ユニットだ。もちろん、回転を低くキープしていれば、十二分に静かである。

一方、高いギアでのパワー不足は否めない。高速域でのパワーのなさが、その4リンク・バッジに相応しいものであるかは、ドライバーの判断に委ねるしかない。

また、その乗り心地も少々問題がある。というのも、スポーツ・サスペンションが固すぎるのだ。1.6のディーゼルに装備されるトーション・ビーム・リア・サスペンションは、決して洗練されているとは言いがたい。スタンダードなサスペンションと17インチ・ホイールを履くモデルのほうがより柔軟な乗り心地を提供してくれる。ちなみに、スタンダード・サスペンションは、ノーコスト・オプションとして選択することもできる。

実際、このクルマの評価は、あなたがこのクルマを運転してみて、何が必要で何が不必要なのか。そして、そのオーダーを満たしているのかいないのかを見極めることだと思う。

■「買い」か?

アウディA3に経済性を求めるのであれば、良い選択だろう。しかし、車高の低いスポーツ・サスペンションは考慮に値するものだ。テストした田舎道で、ガタつく乗り心地を示したのだ。しかし、それは、スタンダード・サスペンションを選択すれば解決する問題でもあるのだ。

(ジム・ホルダー)

アウディA3 1.6TDI スポーツ

価格 20,735ポンド(303万円)
最高速度 195km/h
0-100km/h加速 10.7秒
燃費 26.3km/ℓ
CO2排出量 99g/km
乾燥重量 1230kg
エンジン 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル
最高出力 104bhp/3000rpm-4000rpm
最大トルク 25.4kg-m/1500rpm-2750rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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