TVR280Sは今、「買い」なのか?
公開 : 2018.01.06 17:40 更新 : 2021.02.17 17:44
考えるより走れ! 「値ごろなTVR」
走り出して一番驚かされるのは、同じエンジンのフォード・カプリやシエラと比べて280Sのサウンドがまったく違うことだ。フォードはしゃがれた音で、時に甲高い声を上げるのに対し、280SはV6とV8の間を取ったような大音量のバリトンなのだ。
数kmも走ると、設計の妥協点の数々が気にかかり出す。S1(とそれに続くS2)の短いドアは、乗り降りの際に曲芸を必要とする。ドッグレッグ・パターンを採用したミッションは、シフトレバーが前腕の下あたりにある。ストロークが長いので、1速から2速へ変速するときは、ギアボックスからシフターを引っこ抜くような感じになる。
最初は、すらりとした外観のうるさいクルマという以外に、あまり印象が残らない。V6サウンドを楽しみながらコーナーを流すくらいで、それ以上のことをしたくならないのだ。シフト操作は渋く、そして固い(試乗車はクイックシフト・キットが付いていたので、少しはマシ)。ステアリングとペダルについても同じだ。