アストン マーティンDBS vs フェラーリ599 価格は互角、走りは? 前編

公開 : 2018.01.27 10:10  更新 : 2018.01.27 11:34


DBSへの評価は不当に低いのか?

仮に、一部の人たちが言うようにDBSがひどく退屈なクルマだったとしたら、今回の比較テストはオートカー史上まれに見る無意味な企画になってしまうが、いくらわれわれでもそれほどヒマではない。

当然、そうならないであろう根拠があってのマッチメイクである。先月号に掲載したロードテストがその根拠だ。


 
そのテストでDBSは、完璧とはいえないまでも高い潜在能力を秘めているのを証明して見せた。その結果を受けてわれわれは、物議の原因になっているのはクルマ自体とは別のもの、すなわちアストンがDBSをヴァンキッシュの後継モデルとして投入した戦略にあるのではないかと考えた。

「もしアストンがこのクルマを『DB9R』と呼び、あと600万円ほど安い価格設定を与えていたら、そのポジショニングと能力がもっと正当に評価されていただろう」と述べたのはそのためだ。
 
そのうえで「このクルマで長距離を走ればすぐにわかる事実がある。それはこのDBSこそがアストン マーティンで歴代最高のGTだという事実である」と結論づけている。

つまり、DBSはヴァンキッシュの後継モデルという重荷に苦しんではいるが、その肩書きを外して見れば、マラネロから送り出された魅力的スタイリングの強敵599と肩を並べられるほど優秀なクルマなのではあるまいか。

そうかもしれないし、そうではないかもしれない。それを確かめるため、われわれは2日半を費やしてカントリーロードとロンドンの市街地を走り回った。そうして導き出された結論は、われわれを十分に驚かせるものだった。

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