スムーズなDBSとナーバスな599

　
しかし、走り出してしまえば、2台の間の格差は、止まっているときに比べてずっと小さくなる。純粋に運転するマシンとしての評価では、DBSは驚くほど599に近づくのである。

それどころか、いくつかの項目では599の優位が揺らぎさえする。特に乗り心地とステアリング、ハイスピード走行時の挙動の落ち着きに関しては、明らかにDBSのほうが優っている。

　
アストンは新車発表会後、シャシーに細かい手直しを加えたらしく、その結果としてDBSは素晴らしくスムーズに走るようになっていた。例えば濡れた路面でも、599ほど過敏には感じられない。

確かにロードテストでも指摘したとおり、トラクションコントロールをオフにして濡れた路面で多めにパワーをかけるような局面では、DBSを手なずけるのはかなりむずかしい。だが、同じ状況における599に比べればはるかに御しやすい。
　
現実的にはどちらのクルマの場合も、ウェットコンディションでトラクションコントロールを完全に解除して、ドライバーの力だけで走ろうという人はいないだろう。

だが、すべての電子デバイスをオンにして、ダンパーをコンフォートにセットしたとしても、599のほうがDBSに比べてよりナーバスだ。より活気があるともいえるが、特に路面が完全な状態でない場合にそう感じる。

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