最速ワゴン決定戦 BMW 5ツーリング vs アウディRS6アバント 後編
公開 : 2018.01.28 16:40
アウディのベストには届かない
そうかと思うと、アウディのほうもカンペキというにはほど遠い。こいつのパワーステアリングは、きっと重量挙げの選手がチューニングを担当したに違いない。
なぜって、パーキングスピードですごくカルいのに速度が上がるとめちゃくちゃ重たくなるから。正確といえば正確だけど、この重たさはしばらく乗ってると苦痛になってくる。
あと、RS4やR8だと出まくるマジックに、このクルマの場合はめったにお目にかかれない。ダンピングの洗練度の高さだとか、あるいは衝撃吸収のよさだとか、そういったモロモロには。
過去のあらゆるヒドいアウディのヒドさを祓い清めたようなクルマ、ではこれは必ずしもない。
アンダーステアはやっぱり出るし、ブレーキは軽い踏力で強い制動Gが出すぎる。RS4とR8は、フツーのアウディをやってるのとはまったく別の会社が開発したようなものに思える。RS6は、ダイナミクスのデキからするとその両方にまたがってる感じ。
いくつかの部分、なかでもとくにパワートレインに関しては、RS6はまるで別世界みたいにデキがイイ。でも、そうじゃないところもある。
ほとんど冷凍人間みたいに生気レスなキャラクターのクルマがフツーのアウディにはすごく多くて、RS6実はそのケがないでもない。