欠点と魅力が表裏一体のWRX

　
では、実際に3台を走らせてみたらどうか。

4WDの利を活かし、トラクションに勝るインプレッサWRXは、0-100km/hのスプリントではほかの2台を圧倒するポテンシャルを秘めている。5.4秒という驚異的なタイムは、メガーヌR26の6.2秒を楽々と凌ぐほどだ。

またWRXは、ほかの2台が6段なのに対し5段であり、レシオもローギアードなので、少なくとも100km/hまではそのギアリングが有利に働いている。

しかしその反面、静粛性という点では一般道を普通に走るぶんにはさほど気にならないものの、高速巡航時ではほかの2台にやや引けをとってしまう。

　
エンジンの特性としては、3台ともに、ターボによって豊かな低速トルクが得られる速度域では洗練度が高い。しかし、レブリミット付近までエンジンを回すと、インプレッサWRXはほかの2台に大きく引けを取る結果となってしまった。

メガーヌR26とゴルフGTIのレブリミットはどちらも7000rpm。R26は6000rpmを超えた最後の1000rpmで吹け上がりが鈍るものの、2台ともリミットまで回してもサウンドはなめらかでうるさくなく、そこそこスポーティな鼓動を刻むのが特徴だ。

比べてWRXのエンジンは、騒がしいと形容してもいいほどうるさい。その唸りはフラット4の排気音を圧倒してしまうほどで、6800rpmのレブリミットに達する頃にはもはや耳障りですらある。だが、ほかの2台に比べると洗練度という点ではいくぶん見劣りする反面、独特のボクサーサウンドはエンスージァストにとって今なお魅力的といえよう。

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