ポルシェ911カレラT試乗 50年前の「T」とは趣旨替えの仕上がり
公開 : 2018.01.15 11:40
ポルシェ911のラインナップへ新たに加わった「カレラT」。50年前に存在した廉価版の911Tとは正反対とも言える仕上がりを得た事で、「T」への正当性だけには疑問が残ったようです。
もくじ
どんなクルマ?
ー 50年前にも存在した、911の「T」
ー 装備の充実か、軽量化か
どんな感じ?
ー 「レス・イズ・モア」が生む、想像以上の速さ
ー 満足感の高いドライビング・フィール
「買い」か?
ー オリジナルより断然良い、911カレラT
スペック
ー ポルシェ911カレラTのスペック
どんなクルマ?
50年前にも存在した、911の「T」
まず、このアルファベット「T」について。ポルシェ911カレラTという名前から想像するに、このクルマは一般道をターゲットにチューニングされた、無駄を省いた軽さが特徴だった1968年のオリジナル、ポルシェ911T(Tourの略)へのトリビュート・モデルにも思えてしまう。
しかし実際は、全く異なったマシンに仕上がっている。
50年前のオリジナルの「T」は、911の廉価版として発売され、ポルシェはできる限りコスト削減に努めた。その影響は例外なく、エンジンにも見受けられた。その結果、最高出力は111psと、ポルシェ911史上最もパワーの少ないモデルとなってしまった。
しかし、その名前とは裏腹に、今回の新しい911カレラTは全くの別物。特に、オリジナルは、当時の標準的な911モデルより10%以上安かったのに対し、911カレラTは8万5576ポンド(1300万円)と、ベースとなっているカレラ・クーペの10%増しになっていることからも明らか。
むしろ、これまでで最も洗練されたカレラとも言えそうだ。
と言っても、革新的な内容はそれほどなく、身近なGT3を期待しているなら期待ハズレ。ただ、退屈なわけではない。