ポルシェ911カレラT試乗 50年前の「T」とは趣旨替えの仕上がり
公開 : 2018.01.15 11:40
装備の充実か、軽量化か
例えば、3.0ℓのターボエンジンに7速MTが組み合わされ、シフトレバーとギア比は少しショート化された。最も注目すべきなのが、リミテッドスリップデフと、20mm車高が低くなる、PASMアダプティブ・ダンパーが標準装備されていること。
さらには、20インチの大径ホイールとスポーツクロノ・パッケージ、そしてドライブモード切り替えスイッチが付いたステアリングホイール、スポーツエグゾーストなども標準で備わる。
これらのアイテムだけでも、素のカレラに同等のオプションを付ける以上の価値がある。カレラでは用意されていなかった4WSも、このクルマでは選択可能になっている。
内容として悪くない。
一方で、これまで挙げた良い点を打ち消してしまうのが、リアシートと、インフォテイメント・システムが省かれている点。どちらもオプションで選択は可能だが、大抵の顧客がオプションとして選択するだろうから、クルマの軽量化というよりも、あくまでも選択肢を増やす目的にも思える。
サイドとリアのウィンドウに軽量ガラスを使用し、遮音材も一部削ったのにも関わらず、リアシートと、インフォテイメント・システムを除いても、標準のカレラから減量できたのは5kg。しかし、ポルシェは、ダンパーや20インチのホイールなどの装備をノーマルのカレラに装着した場合、カレラTとの重量差は20kgにもなるとしている。
スタイリングに関しては、カレラTはより深いフロント・スプリッターが付いているが、カレラSのものと殆ど見分けがつかない。ボディサイドとエンジンリッドにはカレラTのロゴが施されている。
インテリアでは、シートのサイドサポート部分にレザーが用いられ、他はSport-tex素材で覆われている。また、タコメーターやキックプレートなどにも、カレラTのロゴがあしらわれる。
ドアを開けて、早速乗り込んでみよう。