孤高のF1実況者と一緒にF1を観ると?
公開 : 2018.01.20 11:40
F1界で最も好きな人物は
アブダビのレースは正直つまらなかった。「ハミルトンがボッタスの前に出ようとしているようには見えないし、ベッテルはハミルトンに追いつけないだろう」とウォーカーは言う。
「もうこれで最終順位が確定したようなものだよ。あとはハミルトンがチャンピオンのプライドを見せるかどうかだね」
レースは残り半分に入ったが、まだF1界の偉大な人物のひとり、ロン・デニス(「気難しい男だけど、彼と揉めたことは1度もないよ」とのことだ)について話すだけの時間はある。
ウォーカーはロン・デニスから1980年代の初め、シルバーストン・サーキットでフォードDFVエンジンを積んだマクラーレンMP 4/1Cを運転させてもらったそうだ。
「10周したけど(3周目にはピット・インのサインが出ていたらしい)、上手く走れたと思うよ。誰かにストレートでどの位までエンジンを回したかと聞かれたんで、10,000rpmだと答えたら、マクラーレンのドライバーだったジョン・ワトソンが241km/h以上出てたと計算してくれたんだ」
中継画面の中でボッタスがフィニッシュした時、わたしは最もくだらない質問をしていた。
長年のキャリアの中で、F1界で最も好きな人物は誰かというものだ。ウォーカーはしばらく考えていた。彼のコメンテーターとしてのキャリアを考えれば、こんなバカげた質問も含めて様々な問いを受けてきたに違いなく、上手くゴマかされるんじゃないかと思っていた。
しばらくして「ロス・ブラウン」と彼は答えた。
「彼を非常に尊敬してるよ。彼を眠たげなただの勿体ぶった年寄りだと思うかもしれないが、実際にはとても素晴らしい、極めて真っ当な人間だよ。そしてみんな彼のことが好きなんだ」
「フィオラノのツアーで忘れられないのは、みんながどれだけ彼のことを尊敬していたかっていうことだ。そしていま彼は厄介な仕事、つまりF1の将来を作り出そうとしてる(ロン・デニスは新たにモータースポーツ担当マネージング・ディレクターに就任している)。これができるのは彼しかいないんだよ」