驚異的なコーナリング性能

コーナリング性能は驚異的で、ターマック用にセッティグされたラリーカーのように、極めて高い精度で、素早くコーナーに飛び込んでいける。ステアリングフィールや、フィードバックという次元ではなく、ひたすらフロントのレスポンスが凄まじい。コーナーへの侵入速度があまりにも速すぎると感じるほど。

そのクイックなコーナリングを、現在のホットハッチで最も秀逸なシャシーバランスがバックアップしてくれる。

フロントタイヤがコーナリングラインに食いつくと同時に、リアタイヤは向きを変えるから、ステアリングを大きく切らずとも、コーナーに吸い付くように曲がっていく。リアは若干スライドするものの、リアがフロントに追従するというより、見事に一体となっているように感じられる。非常にエキサイティングな体験だ。

415psもあるフォーカスRSが、カーブの続く道を高速に駆け抜ける。生け垣を縫って加速する度に、どんなスーパーカーやライトウエイト・スポーツカーでさえも、このペースに着いて来れないだろうと、考えてしまう。実際はそうでなくても、それほど強烈な印象を受ける。

反面、標準モデルでもリッチフィールド仕様でも同じなのだが、このクルマで一番残念なところは、運転席が固定されている高さ。最初の10分くらいは、誰かが意地悪で高く固定したのではないかと感じるほどで、もっと低いポジションに設定できるべきだと思う。でも、時間が経つにつれ、慣れていくだろう。

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