「漆黒への回帰」 マクラーレンP1、デビューから5年 いま乗ると?
公開 : 2018.02.03 11:40
マクラーレンは「ガリ勉」?
「結局エンジンも、電力系も、バッテリーもすべて自製することになったのです……」
そしてその通り、P1は3.8ℓとこの手のクルマとしては比較的小排気量ながら737psを発生するツインターボV8エンジンを178psのモーター(これは大径ターボのラグを埋め合わせるのが主眼だが)で援護し、合計では916psと91.8kg-mを発揮する。
ハイブリッドの超弩級スーパーカーはポルシェとフェラーリにもあるが、ランボルギーニのお膝元からは後にも先にも出たためしがない。
もっとも、ランボルギーニにことさら批判的になるつもりはないことは気に留めておきたい。同僚プロッサーが書いているように、ターボや電池をくっつけたところでランボルギーニ至宝のV12がさらに良くなるわけではないのだ。
マクラーレンが技術集団なら、ランボルギーニの売りは古き良き時代の魅力とドラマティックなパワートレインである。
大学でいうなら、P1はひたすらA評価を取るべく教室の最前列に座るガリ勉だ。それに引き換えアヴェンタドールはふんぞり返り、ガチャガチャ騒ぎ、注意を引くことに旺盛で、自分がいかに偉大でスポーツ万能かを口伝してくれるひとたちをぐいと引きつける。ただスポーツに関しては実はP1の方が優秀だったりするのだが。
今でも、P1に乗り込むのは未来への梯子をよじ登るかのように思える。