EUの自動車CO2規制、2021年さらに厳格化 2つの「追い打ち」も 生き残るは4グループのみか
公開 : 2018.01.28 10:10
EUの自動車が排出するCO2の規制。2021年には、よりいっそう厳しさを増します。そして2つの追い打ち。メーカーの「表向きの自信」とは反対に、生き残ることができるのは4グループだと言われています。シリアスな内容です。
もくじ
ー 厳格なEU規制 諸メーカーは3年後に窮地へ
ー NEDC→世界統一のWLTPへ 小型車さえ困難
ー ふたつの追い打ち 生き残るのは4グループ?
ー 各社の異なる見解 ただ現実は「地獄絵図」
厳格なEU規制 諸メーカーは3年後に窮地へ
自動車メーカーは2021年導入予定の厳格なEU規制に適合できなかった場合、巨額の罰金を科されることになる。
今後3年のうちに、欧州市場の自動車メーカーはEUが新たに導入する非常に厳しい排出ガス規制という、ここ数十年で最大の試練に直面することになるだろう。
しかも、業界コンサルタント2社によれば、新測定基準とディーゼル問題の余波、さらには顧客のSUVシフトによって、この新しい規制に適合するのはほとんど不可能だと言う。
しかし、この規制へ対応できなければ自動車メーカーは数100万ユーロ単位で罰金を科されることになるのだ。
この新規制のもと、各メーカーにはそれぞれCO2排出量の目標値が設定されるが、この値は各メーカーが域内で販売する全モデルの排出量平均値に対して適用される。
自動車業界全体におけるCO2排出量目標が95g/kmであるいっぽう、メーカーごとの個別の目標値は、車両の重量とサイズ、更には年間生産量をもとに、複雑な計算を経て算出されることになる。
たとえば、ジャガー・ランドローバーは毎年のEU域内での販売台数が30万台以下であり、平均よりも大型の車両を生産しているため、CO2排出量目標値は132g/kmに留まるいっぽうで、フィアット・クライスラーの目標値は91.1g/kmとされている。
実際のところ、業界目標の95g/kmというのは全ての自動車の道路上での平均実燃費が27.6km/ℓになることと同じような意味なのだ。
そんな目標だけでも達成は技術的に非常に難しいが、さらにEUがより厳格な測定基準の導入を決定したと知れば、その困難さをより理解することができるだろう。