おかしくも素晴らしきマイクロカーの世界(3)
公開 : 2018.01.21 06:10
FMR TG500(1957年)
かつては空で名を馳せたメッサーシュミットが、第二次大戦でのドイツ敗戦により航空機製造を禁じられ、マイクロカーに鞍替えしたのは誰もが知るところ。第1作となるKR175の設計を手掛けたのは、その分野で名を成していたエンジニアのフリッツ・フェンドだった。ところが、1956年にメッサーシュミットが本業への復帰を果たすと、車両製造部門を売却。これを手に入れたのがフェンドらのグループだった。彼らは三輪だったメッサーKRを四輪へ設計変更。FMRブランドでタイガーとして発表するが、クルップが商標権を主張したため、TG500と改名して1957年に発売する。エンジンは493ccで、最高速度は137km/hに達した。オープンとクローズ、2通りのボディが用意され、あわせて450台ほどが生産された。