内装　★★★★★★★★★☆

乗り込んでみる。というよりよじ登るという方が正しいかもしれないが。すると、すぐに認識できるのはそれがBMWであること、そしてこのセグメントの顧客が求める、実用性と豪華さの融合がそこにあることだ。

構造的には、先代モデルとの違いはあまりない。しかし、ディテールの変更は粛々と進められている。スイッチ類の多くはメッキ仕上げとなり、歯切れのいい感触のダイヤルはデジタルになった。その周囲に配されるクロームのトリムはスタイリッシュだが、表示部を狭めてしまっているのも事実だ。ともかくも、これまでのX3にはなかった高級感のあるフィニッシュではある。

造りと材質のクオリティも高められ、ソフトな素材が各部に使われ、取付金具の類が目につかない。レーザー誘導のごとき精密さが感じられ、クラス最高水準のアウディQ5にも見劣りしない。着座位置が高くなければ、最新の5シリーズと見間違えそうなくらいだ。

ありがたいことに、根本的な部分には瑕疵がなく、テスト車に装備されたオプションのスポーツシートは抜群のポジションを提供してくれる。自信を持って運転できる程度に低く、それでいて素晴らしい視界を得られる程度に高い。そのうえ、シートのホールド性も文句なしだ。

ホイールベースの延長もあって、スペースには不満がない。後席の頭上は青天井に感じられ、足元の広さも増した。後席シートバックは、各席独立したリクライニングが可能で、当然ながら40：20：40の分割可倒式。荷室容量は通常時が550ℓ、最大で1600ℓ。エアコンは前席左右に加え、後席も温度調節が可能な3ゾーン式となった。

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