自動車業界のトピック 2025年まで「自動運転/EV」より「FCV」に 理由は?
公開 : 2018.01.28 19:40
「バリューチェーン」を強みに
ベンソンは、グーグルやアップルのようなシリコンバレーのデジタル企業の方が、アプリやデータ管理をもとにした将来クルマで使用されることになる技術をより深く理解していることで、これまでの自動車メーカーに対し有利な立場にあると言う。
「従来の自動車メーカー各社は自分たちのクルマをほかの『何か』と繋げることはして来ませんでしたが、グーグル、アップル、アマゾンやその他多くのスタートアップ企業には既に何年もの経験があるのです」
「だからこそ多くの自動車メーカーがこういったデジタル企業とパートナーシップを結んでいるんです。『バリューチェーン』の価値はクルマそのものから顧客データに移って来ています。顧客の満足度を高め、より多くのサービスや製品を提供するためのデータ・マネジメントや分析、そしてその活用といったことに対応できる企業が、新しい自動車世界の勝者になると思います」
多くの自動車メーカーが自立運転モデルのコンセプトを発表し、自動運転について語るいっぽうで、KPMGのレポートによれば、業界幹部たちはこの話題の重要性を8番目としてしか考えていないということだ。
ベンソンいわく、多くのメーカーが既に自動運転モデルに関しては自社の戦略に基づいた対応を進めているため、この分野の重要性が縮小して来ているという。
「自動車メーカーの世界では、自立運転モデルというのは既に長年に渡って検討されてきた課題であり、2023年までには、全ての主要な自動車メーカーが公道走行可能な自立運転モデルを発売することになるでしょう」とベンソン。
さらに、自動運転モデルの本当のゲームチェンジャーは、ウーバーや公共交通機関がこの技術を実際に使い始めた時に初めてやってくるとも語る。