アウディRS4アバント 英国初試乗 AMG C63とどちらを選ぶ?
公開 : 2018.01.26 10:20 更新 : 2018.01.26 11:25
どんな感じ?
強烈に速いクルーザー
英国のひどい舗装の上でも、どこまでも速い。実際、このクルマのポテンシャルを引き出せるかは、精神力にかかっているといってもいい。絶叫マシンのように興奮して乗るのではなく、淡々と走らせるのだ。
450psは、アウディスポーツ物件としては控えめだ。かつてクワトロGmbHと名乗ったチューニング集団の作品としては、RS7パフォーマンスが605psだ。もっとも、ウェイトはRS4の1715kgより200kgばかり重いが。となれば、このクルマは一般的なアウディが快適に走れる範疇で生きるべきクルマだ。めちゃくちゃに飛ばすと、路面状況にかかわらず、スタビリティが怪しいことになってくる。
クワトロシステムには期待を寄せるところだろう。おまけに、試乗車ではコンチネンタルのスポーツコンタクト6だったタイヤは、265幅もある。
レースさながらの走りをしてみても、8段のトルコンATが苦も無くスムースに変速し、クルマとのマッチングの良さを示してくれる。前後駆動力配分は通常40:60だが、トラクションの状態により最大でフロントへは85%、リアへは70%まで比率を高められる。その変動ぶりは、十分に感じ取れるレベルだ。
試乗車のパッシブダンパーは、高速道路を滑らかに走るようセッティングされているようだ。ホイールコントロールは簡潔で、ロールはかなり走り重視のホットハッチのように制限されている。
方向転換も文句なしだが、細いリムとクイックレシオのステアリングには、決してアルファ・ロメオがジュリア・クアドリフォリオで味わわせてくれるような爽快感を期待してはいけない。クルーザーのようでありながら速い、そんなクルマだ。