アウディRS4アバント 英国初試乗 AMG C63とどちらを選ぶ?
公開 : 2018.01.26 10:20 更新 : 2018.01.26 11:25
パフォーマンスカーとしては不満な走り
スタビリティの問題は、つまるところこのステアリングに起因する。軽く精確だが、フィールはデッドだ。スロットルやブレーキの操作と組み合わせても、たいていの場合は無難な仕事をする。
アンジュレーションのあるS字で、2速や3速での全開加速を試してみると、馬鹿にしたようにあっさりとこなす。路面の荒れた低速コーナーへの進入でハードにブレーキングしても、動じることはない。
ここで自問自答してしまうのだ。これが本当に、パフォーマンスカーに望むものなのか、と。ファミリー向けのワゴンであれば、これでいいのだが。
3ステージ式スタビリティコントロールはよく調整されており、どんな場所にもそうと気づかぬうちに合わせてくれる。トルクベクタリングの助けもあって、走りはまさにオン・ザ・レールだ。
では、それを解除したらどうなるか。
スポーツ・ディファレンシャルをダイナミックモードに入れると、RS4は中速コーナーをとりあえずは抜けながらも、テールを振り回せるようになる。
ただし、C63ワゴンのようにナチュラルではなく、基本的にはアンダーステア傾向だ。メルセデスで楽しめるようなパワー・オーバーステアに持ち込もうというなら、幸運を祈るとしか言いようがない。試みた途端、強烈な荷重移動に見舞われることとなる。