日産e-NV200エヴァリア7S試乗 自家用には及ばず 環境規制ゆえのEV需要は大
公開 : 2018.01.29 20:10 更新 : 2018.01.29 20:38
ダイナミクス性能や快適さには不満
いっぽう、現実的に期待は持てないとは言え、ドライビングにも特長があるe-NV200。
電気モーターが生む低速域でのトルクは充分なものだが、極めて単調。そこから更にクルマのペースを上げていくと、経済的なディーゼル仕様の7人乗りよりも、パフォーマンスでは劣るということに気付く。80km/hを超えると、一層それは増していく。
そこからリミッター制御が入る122km/hまで加速していく際も、内燃機関が持つ力強さ、という点では及ばないように感じる。e-NV200なら高速道路の最高速度(イギリスでは112km/h)を大幅に違反して、追い越し車線を走るようなことはない、という点では僅かな安心感にはなるだろうか……。
もうひとつ高速道路での問題は、かなりの量の風切り音が車内に侵入すること。背が高いボディ・ディメンションに加えて、大きなドアミラーや商用車品質のドアシールなど、洗練性には欠けるしつらえ。例え天候がそれほど悪くなくても、嵐の中を運転しているような感覚を味わえるかもしれない。
乗り心地も、詰めが甘い。リアサスペンションは、リーフスプリングにトーションビームの組合せで、ある程度滑らかな路面なら良いが、低振幅を伴う凹凸では、ボディが揺さぶられてしまう。
後席に座っての長距離旅行は、快適ではないだろう。