日産e-NV200エヴァリア7S試乗 自家用には及ばず 環境規制ゆえのEV需要は大

公開 : 2018.01.29 20:10  更新 : 2018.01.29 20:38


「買い」か?

自家用車としては非現実的

e-NV200は2014年以来、乗用車向けとしても非常に少量ながら販売されてきたが、今後も数を大きく伸ばすことはないだろう。

従来型のe-NV200を踏まえて考えると、イギリス大蔵省による補助金を含めても、同等のガソリンやディーゼルエンジンを積んたクルマと比較して、25%ほど購入費用が高くつく可能性が高い。

また高くついたイニシャルコストは、燃料費が少なく済む分、ランニングコストでの節約が可能だが、思い通りに長距離を走れるクルマではない。

ミニバンのようなユーティリティ・ビークルは、条件を選ばない実用性の高さが、評価軸として重要になる。家族で楽しく山遊びをしてクタクタになった帰路の途中、高速道路のサービスエリアで1時間も充電に要することが、実用的な事だとは思えない。

都市部での需要は高いe-NV200

とは言え、e-NV200は様々な分野で支持を得ることになるはず。

ヨーロッパの首都などでは、中心エリアにおけるゼロエミッション・ゾーンの制定が進んでいる。例えば、ロンドンやパリ、マドリードなどでは、2019年からゼロエミッション・ゾーンが段階的に導入されていく予定だ。

郊外の物流センターから個人宅とを結ぶ、配送車両の需要は増えることは容易に予想できる。また、そのような地域では、7人乗りのタクシーとしても需要は高くなる。

日産はどの程度意識しているかはわからないが、明らかにヨーロッパでは、7人乗りのEVにはマーケットが存在すると思う。クルマの知識の有無に関わらず、自家用車としてではなくても、ここ数年のうちにe-NV200への様々な意見をわれわれは耳にする事になるだろう。

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