テスラ「夢」限界? 時価総額は高止まり 裏腹につづく遅延、止まらぬ支出

公開 : 2018.02.04 06:10  更新 : 2018.02.04 09:55

製造部門の瑕疵 モデルS/Xは売れたが…

もうひとつの遅延はネバダにあるテスラのバッテリー製造部門:ギガ・ファクトリーだ。

AUTOCARに寄せられた情報によると、バッテリーの製造上の不具合により容量が大幅に減る可能性があるのだ。テスラは「4ゾーン」のバッテリー製造プロセスのうち2ゾーンを設計しなおす必要があるといっている。モデル3の発売はますます遅れそうだ。

そこで、昨年はテスラはモデルSとモデルXへ急速にシフトし、10万1000台を生産した。これは2016年の販売台数の3割増しの数字であり、世界各地のラグジュアリー市場で善戦した。

ちなみにメルセデスSクラスの販売は12カ月で8万4000台余り。しかし、エバーコアISIのアナリスト連中が投資家への通知に書いたように、「投資予想において最も重要なキー」となるのはモデル3なのだ。

テスラは2018年の初めにはモデル3を週5000台生産したいといっていたが、先述のとおり、この目標は2度も延期を余儀なくされた。2017年の過去3カ月間に製造したのは1550台。予想より大幅に少ない。

しかし現在、テスラは7月初めまでには月産2万台の目標に到達するといっている。エバーコアISIも、テスラが製造の問題にそう長く悩まされることはないだろうと考えている。

アナリストの予想では、2018年のモデル3の販売は25万8000台程度、2019年は32万6000台程度だ。そうなると、モデルSとXを合わせて年間50万台という夢の数字が見えてくる。これは2018年の目標だった数字だ。

しかし、どんなに贔屓目に見ても総販売台数は実際のところ37万台程度だろうと、ある投資銀行は予想している。

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