グッドイヤー新タイヤ「E-Grip Comfort」を評価 狙いはプレミアム・セグメント
公開 : 2018.01.29 21:10 更新 : 2021.03.05 21:27
注目のベクター4シーズンズは?
ちなみにVector 4Seasonsは低ミュー路での安心感も含めて、若干方向性の違いも感じたものの、必要な性能はしっかりと担保されているという印象。タイヤがクルマに及ぼす経済性ではなく、ライフスタイルの中でタイヤができることという視点を感じた。グリップ感や、クルマで感じる喧騒からの隔絶度合い、乗り心地などはもちろんE-Gripシリーズの方に有意な部分を感じ、Vector 4Seasonsには全体的に大味な印象は否定できない。けれども実際同じコースを走るとそれぞれの性能面で大きく劣ることもない。
タイヤで演出できる味の部分やそれぞれのグレードのタイヤが誇る性能に関してはE-Gripシリーズがグッドイヤーの看板であり、次の時代に対する同社の回答であることは動かしがたい。一方で、シーズナルの交換を不要にし、利便性、経済性、緊急対応度などの機能を持たせたタイヤとしては、Vector 4Seasonsは申し分ない。「タイヤができること」という課題に対してのグッドイヤーの真摯な回答であると感じられた。
「喧騒を、置き去りにしよう。」
なるほど、置き去りにしている。というのがこの日の筆者の正直な感想である。安全運転にも、ドライビングプレジャーの点でも、やみくもな静かさだけの追求が正とは限らない。そういう部分へのこだわりをしっかりと感じつつも、車内の会話、音楽鑑賞を楽しむこともできる環境への寄与。タイヤとして高次元でバランスさせていることが分かった。