シボレー・カマロ vs フォード・マスタングGT V8マッスルカー対決 後編
公開 : 2018.01.31 16:10
走りにみる、両者のちがい
しかし、コーナーでカマロのフロント・アクスルに負荷をかけ始めると、レシオを高められたステアリング・ラックの不自然さに気付くことになる。フロントはリーンを始めているにも関わらず、シャシーがその動きについてこられない感じなのだ。
コーナーに差し掛かるとフロントが即座に反応する一方で、クルマ全体はその1659kgの重量を引きずるかのように姿勢を乱す。結果としてカマロの動きはぎこちなく感じられる。
対照的にフォードのエンジニアたちは大胆にもマスタングをマッスルカーそのままの挙動に仕立て上げた。
実際以上に機敏に見せようなどとはせず、はじめはルーズに感じられるステアリングも、シャシー全体の仕立てと上手くマッチしている。
カマロとマスタングで中速コーナーに進入してみれば、フォード製マッスルカーの方が路面とグリップの状況をより伝えてくれる。つまり、マスタングの方がタイヤのグリップ限界ギリギリまで攻め込む気持ちにさせてくれるのだ。
両者ともリアにマルチリンクを採用したことで、より現代的なクルマとなったが、それでもなお、欧州製4シーター・クーペたちとは完全に異なる存在であり、いい意味でも、わるい意味でも強くアメリカの香りを漂わせていることがわかる。