こんなものまで作っていた 自動車メーカーの意外な製品 後編
公開 : 2018.01.31 17:10 更新 : 2019.05.04 13:03
フォードの工業都市
ヘンリー・フォードは、自動車部品用のゴムの供給を確実にするため、ブラジルにゴム園を擁する街を造ってしまった。フォードランディアと名付けられたそこは、1926年に計画を開始。
アマゾンの熱帯雨林奥深くに、アメリカ風の家々が建てられた。ブラジル人の労働者とアメリカ人の管理者は居住区画が分けられ、そのほかに来訪者のためのホテルも建設された。
ところが、ゴムの木の生育は悪く、ひとびとも病に倒れがちで、プロジェクトは完全に失敗。1934年、この都市は放棄され、ベルテッラでゴム園の再起を図るが、フォードはここからも1945年に撤退する。
自然環境に収穫量が左右される天然ゴムより、合成ゴムの方が容易に入手できると気付いたのが、その主な理由だ。現在、フォードランディアにはおよそ3000人が暮らしている。