レクサスRX450h ボルボXC60 「E-GripパフォーマンスSUV」を評価
公開 : 2018.02.02 17:40 更新 : 2021.03.05 21:27
どんな感じ? 「路面が近くなる感じ」
Efficient Gripの名は、もしかすると、SUVでこそ実感としての効果は大きいのではないか。そのような印象すら感じた。というのも、シリーズの新銘柄、E-Gripコンフォートを履く乗用車で感じた基本的な印象は踏襲されている上に、その躯体による影響にしっかり対応する性能も感じられたからである。
無音の静寂でもなく、しかし、路面の変化、状態を音でも知らせるが、聴覚への入力は不快感を伴わない。あくまでも「静粛な環境コンシャス」ではなく、触れ込み通り「喧騒を置き去りにしている」のは、SUV向けとなるE-GripパフォーマンスSUVでも引き継がれていた。性能ですごみを見せて、ユーザーを跪かせるような、ある種の「テクノロジーの思い上がり」のキャラクターは感じず、自然体であることも個人的には好印象を覚えた。
テクノロジーはどんなものでも、ハイテクになればなるほど、時にユーザーは置き去りにされたと感じることがある。タイヤとして望ましい静かさと、必要な情報収集・伝達能力はしっかり両立されていて、最近流行りのSUVであっても、比較的オーソドックスなクルマと似たようなドライビングを楽しめるタイヤではないだろうか。
グリップが変わると制動が変わる。制動が変わると、荷重移動の点でも変わる。その変化によってハンドリングは変わり、それら一連の局面の連続により、クルマの印象はぐっとコンパクトに、そして身軽に感じるものである。感覚的に「路面が近くなった」印象を感じた。