67歳、レーサーから画家へ 著名人もオーダー 自宅探訪
公開 : 2018.02.03 19:10
才能が開花したとき
レースに参加する前、彼はハーロー・アート・カレッジでファイン・アートを学んでいたのだが、そこで自分の絵画の才能に気付くことになる。
「指導教員が言うことは全く役に立ちませんでした。彼らは題材についても何も教えてはくれませんでしたから」と彼。
「その代わり、情熱があればやり遂げることができるということを学びました。ですから、絵は自分自身で学んだようなものです」日々の生計を立てながら家族を養うため、トムリンソンは一旦アートのキャリアを諦め、グラフィック・デザインの仕事に注力することにした。
しかし、絵を描くことは止めず、レースの世界でもブランズ・ハッチで解説の仕事をおこなうことで、ジュゼッペ・ファリーナとアルベルト・アスカリ以外のF1チャンピオンたちを生で見てきたのだ。
そして、ゆっくりと、しかし着実に彼のふたつの情熱である絵画とレースはひとつになっていった。
モータースポーツ界のレジェンドであるキャロル・シェルビーとジョン・サーティースのふたりも彼に絵を注文している。さらに、スターリング・モス、フィル・ヒルにユハ・カンクネンとロイ・サルバドーリと言った伝説のドライバーたちも自分たちが描かれた絵にサインを残している。
現在67歳のトムリンソンは、3年前からグラフィック・デザインの仕事よりも、モータースポーツに関する絵画制作を優先させている。描き上げた作品は100作以上だと言う。
彼の顧客リストにはモス、元F1ドライバーのマーク・ブランデルに、マクラーレン・テクノロジー・グループ取締役のザック・ブラウンや、テレビのビジネス・コンテスト番組である「Dragon’s Den」に以前出演して有名になったテオ・パピティスなどがいる。