三菱に特殊車両専門の架装部隊「M-SVO」があった 工場訪問 車両紹介も
公開 : 2018.02.04 00:10
ファクトリー 中を覗くと……
M-SVOは建物の外に控えめな看板しか出していないので、そこにあると知らない限りは通り過ぎてしまうかもしれないが、周辺を囲む頑丈なフェンスをひとたび通り抜ければ三菱車の一群を目にすることができる。
そのほとんどがオフロード車かSUVで、全面が警察カラーに塗装され、青いライトバーを装備しているものもある。建物内には8つの傾斜台、塗装ブース、修理場、さまざまな製作道具があり、裏のクルマ置き場を埋め尽くしている数多くの4×4が架装または納車に出されるのを待ち詫びている。
このセンターでは、三菱自動車のフリートカーや広報車両、ヒストリックカー・コレクションの整備と管理もしている。われわれが訪れたときは三菱自動車の100周年記念イベント向けに数台のエボが整備され、イギリス初の広報車両となった1974年製の真っ白なランサーが点検を受けているところだった。しかし、もっとも目を引いたのは真の三菱自動車ではなく、かつてライセンス生産されていたウィリス・ジープだ。
M-SVOのマネージャーであるヒューズによると、M-SVOを際立たせているのは修復技術や車両整備技術ではく、製品に対する豊富な経験だそうだ。
15年前の設立以来もっぱら三菱車だけを扱ってきたM-SVOは、L200の後ろに、いくつラックをはめ込むことができるか、ショーグンにどの程度重量を加えたらサスペンションのアップグレードが必要になるか、などについて誰よりも詳しい。
ヒューズいわく「わたしたちはお客様のリクエストが危険なものではない限り、ノーとは言いません」とのこと。「ここで行われている最も専門的なことと言えば、警察犬用の車両改良です。ショーグンの場合は80時間かけてエアコンと照明付きの犬小屋を後部にふたつ設置しています」
「わたしたちはクルマを入荷したらまず正常に作動するか確認します。その後、通信システム用ハーネスをクルマの前から後ろまで張り巡らせるため、室内のほとんどのものを取り除きます。非常に特殊な方法でハーネスを配線したら、インテリアとライトバーを取り付けます。塗装は専門のサプライヤーに任せています」
このセンターが手がけてきた中でもっとも珍しい車両は何か、聞いてみた。