ホンモノの誘惑 中古で探すアストンDB7/フェラーリF355/ポルシェ911ターボ 後編
公開 : 2018.02.05 16:20 更新 : 2018.02.05 16:21
スーパーカー界の万能選手
フラット6を始動するとフェラーリと張り合えるほどの注目を浴びるが、それはオプションのスポーツエグゾーストを装備しているからだ。そしてそのサウンドにふさわしく、このクルマは実に速い。出力特性がピーキーなF355や、エンジン性能が車重に足を引っ張られているDB7のあとで乗ると、1500kgのボディに408psと54.0kg-mを載せたこのマシンの走りは筋肉そのものだ。
ターボのタイムラグは最小限に抑えられており、4WDのトラクションのおかげで、たとえ路面が滑りやすい状況でも躊躇なく路面にパワーを叩きつけることができる。もちろん、スイッチ類の操作をちゃんと覚えられればの話だが。
例によってこのクルマは911特有のリアエンジン・レイアウトを採っているため、そのクセを征服して乗りこなすという魅力に満ちている。エンジンの重量がほぼそのままのしかかるリアアクスルと思い切り軽いフロントアクスルの組み合わせは、ほかのクルマにはない特徴的ドライビングフィールをもたらす。これに慣れるにはある程度の時間と、それに耐える忍耐力が求められるが、コツをつかんでしまえばコーナーを抜けるたびにスピードは増していき、アストンやフェラーリをはるか後方に置き去りにすることも可能だ。
911ターボは徹底的に運動効率が高く、センセーショナルなサウンドを発し、カリスマ性を備えたブランドが多いドイツ車のなかでも特に際立った存在だ。今回の3台のなかではもっとも実用性が高く、そしてあらゆるシチュエーションで最速を誇り、ドライビングに満足感がある。このクルマこそが、24時間365日の使用に耐える最高の中古スーパーカーである。