BMW135iクーペ vs ポルシェ・ケイマン vs 日産フェアレディZ 回顧録

公開 : 2018.02.07 17:40

静物としての評価は芳しくないものの、動的性能は折り紙付きという、この時期のニッチなBMWの典型ともいうべき135iクーペは、同程度のエンジンを積む本格スポーツカーを向こうに回して勝利することができたのでしょうか。「AUTOCAR JAPAN」2008年2月号からの再録です。

AUTOCAR JAPAN誌 57号

もくじ

机上論では失敗作との評価
135iクーペの立ち位置
4座クーペならではの優位性
強力無比なツインターボ
中速域までで勝負あり
考えるな、感じろ
勝負の行方

机上論では失敗作との評価

ネット上の掲示板やクルマ好きのサイトを見る限り、このBMW 135iクーペを失敗作だと考えている人は少なくないらしい。そう主張するエンスージァストたちの言い分はこうだ。

「135iクーペはボトムラインの1シリーズがベースにしては、ドライブトレインがほぼ共通の335iに比べて格別安くはなく、当たり前だが狭く、そして重すぎる。さらに外も中も、どう見てもグッド・ルッキングとは言い難い」──なるほど。

確かにそうかもしれない。135iを実際に運転したことのないひとびとが数値だけを目で追っていったなら、そうした否定的な結論に至ってしまうのも無理はない。なにしろ135iは約600万円と相当な値段だし、室内がより広い335iに比べてわずか30kg程度しか車重が軽くないのだ。  

残るスタイリングについては、本来なら個人的な見解を示すのは差し控えるところだ。しかし、そうも言っていられない。135iはクーペなので、見た目はかなり重要なファクターだからだ。そこで可能な限り客観的に評価するため、今回のテストに参加した5人がどう感じたかを数値化して記すことにする。

その数値、4対1。つまり1シリーズ・クーペのスタイリングが気に入った者はひとりだけだったわけだ。なお、BMWの名誉のために付け加えておくが、気に入ったそのひとりは単に「気に入った」という程度ではない。彼は135iを心底「大好き」になっていた。それは特筆しておこう。もっともほかの4人はまるで受け付けなかったのだが。
 

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