BMW135iクーペ vs ポルシェ・ケイマン vs 日産フェアレディZ 回顧録

公開 : 2018.02.07 17:40

中速域までで勝負あり

極めつけは、その怒濤の加速がどこまでも続くことだ。6速で2000rpmも回っていれば十分、3速6000rpmならさらにいい。2500rpmから4000rpmにかけての途方もないトルクの立ち上がりもすごいが、135iが地平線めがけて突進していく際の最後の1500rpmといったら、ほかに比較する対象が思い浮かばないほどである。まるで終わりを知らぬかのようにどこまでも速度が伸びていく。

BMWは、このクルマはわずかながらE36型M3より速いと言っている。彼らがそんなオールドタイマーを比較対象に持ち出した真意は測りかねるが、確かにそれは間違いなさそうだ。  

いずれにせよ、245psバージョンの素のケイマンでは、純然たるパフォーマンスでは135iにまったくかなわなかったわけだが、これはトルクや出力の差だけではなく、5段しかないトランスミッションのギアレシオにも原因がある。フラット6が持つ中速域でのトルクの谷間を、うまくカバーしてやることができないのだ。  

さらに排気量の大きいZですら135iに敗れてしまったが、この勝負もトップエンドまでもつれることなく中速域で決着してしまう。ここでもBMWのツインターボが、より大排気量で許容回転数も高いが自然吸気である日産の3.5ℓを圧倒しているのだ。ほかの2台に比べたらストロークが長くて重い、まるで10年落ちの商用車のようなフィールのギアシフトも、Zの足を引っ張った。
 

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