ポルシェ・ケイマン2.7
公開 : 2013.02.18 10:12 更新 : 2017.05.29 19:07
■どんなクルマ?
新しいポルシェ・ケイマンは、2.7ℓエンジンを搭載し、デュアル・クラッチのPDKギアボックスを備えたモデルだ。40,000ポンド(580万円)を切る価格で、ケイマンSに比べて730cc排気量が少なく、50bhp低い271bhpのエンジン・パワーを持つ。
ケイマンSとケイマンの違いは後は少しだけだ。リア・ホイールが8.5インチから8インチとなったため、リアのとレッドが4mm狭くなり、ボディ重量が10kg少ない1340kgとなっている。しかし、タイヤ・サイズはフロントが235、リアが265と同じ。但し、そのホイール・サイズは、ケイマンSが19インチなのに対し、ケイマンでは18インチとなる。
PDKのギア・レシオも同一だ。但し、マニュアル・モデルのギアボックスは、2.7ℓモデルの方が短いギア比が与えられている。
その他は、本当にケイマンSとケイマンの差はない。
■どんな感じ?
ケイマンSと同じぐらいスウィートなクルマだ。どこでどうドライブするかにかかわらず、そしてゆっくりドライブしていても、本当に愉しいクルマだ。0-100km/h加速はケイマンSに較べると1秒遅いが、充分に速く、同じスロットル入力を行えば、ケイマンSと同等のドライビング・プレジャーを得ることができる。エンジン・サウンドも素晴らしく、ギアシフトも滑かだ。それは、法定速度、あるいは限界以下のスピードで走っていても同じだ。
パワー・デリバリーの特性も、この2車の間に違いはない。ピーク・パワーは7400rpmで発生し、8000rpmでレブ・リミットを迎える。一方、トルクは4500rpmから6500rpmまで29.6kg-mを発揮する。
第1世代のケイマンは、ドラマティックさとエモーショナルな部分が欠けていると何人かが指摘したのも事実だが、この新しいケイマンはそんな言葉とは無縁の存在である。
もちろん、そのハンドリングもそうだ。ケイマンは、本当に他のスポーツカー・メーカーが可哀想になるぐらい、パーフェクトで、研ぎ澄まされたスポーツカーなのだ。
ミドシップらしく、コーナーのターンインではアンダーステア、そして出口付近では若干のオーバーステア気味になる。ボディ・コントロールは第一級だ。
このケイマンが、ロータス・エヴォラと較べて、どちらが良いハンドリング・マシンであるかは、一般路上はもとよりサーキットで試してみなければわからない。
ただ、電気的なセットアップのステアリングは、ほんの少し感覚が不足しているかもしれない。とはいうものの、正確で、滑らかで、重さも適度だ。
■「買い」か?
ケイマンSも素晴らしいクルマだったが、それと同じぐらいケイマンも良いクルマだ。ケイマンがポルシェ911を持つ余裕がない人のためのクルマというのは明らかに間違いだということを、ポルシェは証明してくれたのである。
(マット・プライヤー)
ポルシェ・ケイマン2.7
価格 | 39,694ポンド(570万円) |
最高速度 | 266km/h |
0-100km/h加速 | 5.7秒 |
燃費 | 12.2km/ℓ |
CO2排出量 | 192g/km |
乾燥重量 | 1340kg |
エンジン | 水平対向6気筒2706cc |
最高出力 | 271bhp/7400rpm |
最大トルク | 29.6kg-m/4500rpm-6500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |