205GTI vs フォーカスRS vs メガーヌ・トロフィーR vs シビックR vs ゴルフGTI 後編
公開 : 2018.02.09 17:10 更新 : 2018.02.09 22:23
文武両道のゴルフ
ゴルフGTIは、もっとアバウトでいいのではないか。過去40年以上にわたりゴルフGTIは人を驚かせるようなクルマではなかったはずだが、しかし今回、エンジンをかけた瞬間から想像と違ったのは5台のうちゴルフだけだ。
真面目一筋。賢そうで、ちょっとプレミアムだが、しかしやっぱり真面目一筋。これと比較すれば他のクルマのインテリアは欠点だらけだ。ホンダはレイアウトが酷く、ルノーは見づらく、フォードは魅力がなく、プジョーはつくりが雑だ。ゴルフのキャビンは滑らかで優しく魅力的。時間を過ごすのに本当に気持ちのいい場所だ。
そこで自然とこう予想してしまう。もちろん速くて楽しい、でもライバルたちのような純粋な興奮には欠けるのだろうと。ところが、事実はまったく異なる。ルノーやホンダに乗った後でさえ、まったく、すこしも、失望することはないのだ。ホンダのようには速くなく、ルノーのようには明晰でない。しかし、あなたやわたしが想像するよりもその差はわずかだ。
操舵しなければならないタイヤに大きなトルクを掛けることに関しては、シビックやメガーヌが一級品だが、タイヤが冷えていたり、地面が濡れていたり、あるいは単にコーナーがきつ過ぎたりで、トラクションが不足する場合がある。ゴルフの場合は、それが滅多にないのだ。いつでも与えられた最大限の能力を使うことができる。さらに素晴らしいのは、ステアリングの反応がよく、フィールもはっきりしているので、運転に夢中になれることだ。