ディーゼル逆風、LPG復権は近い? 価格、各国の状況は 「バイフューエル」も
公開 : 2018.02.10 17:10
各国のLPG普及 現状は?
現時点では欧州におけるLPGは依然として限定的な燃料としての位置づけに留まっている。最も普及が進んでいるのがポーランドで、イタリアがその後に続いており、ポーランド国内のLPG燃料のクルマとトラックの割合は全体の5%程度、車両数としては約220万台となっている。
イタリアとスペインでは地方政府の大気汚染に対する懸念から、LPGへの燃料転換を推奨しており、その利用は顕著な伸びを見せている。
シェルとカロールの共同出資会社でLPG供給事業を行っているAutogasのホリー・ジェイゴによれば、英国では約12万台がLPGへと燃料転換済みであり、毎年約4000台が新たにLPG仕様へと変更されているとのことだが、これは道路上で使用される燃料全体のわずか0.2%でしかない。
ジェイゴが指摘するとおり、大気汚染への関心の高まりによって、再びLPGが注目を集めることになるかもしれない。LPG仕様に改造されたTX4ロンドン・タクシーを使った「独立テスト」の結果では、排気ガスに含まれる汚染物質のうち、粒子状物質を99%、NOxは88%削減することができたと彼女は話す。
都市部の公共交通機関に関して、英国はディーゼルから安価で効率的なLPGへの転換という、世界的な潮流に乗り遅れている。香港では15年以上前に総数2万台のタクシーがLPG化されており、新型トヨタ・ジャパンタクシーでは、ハイブリッド・システムに組み合わされるエンジンの燃料はガソリンではなくLPGである。
このままLPGは復権できるのか?