トヨタ・ランドクルーザー2.8ℓ直4ディーゼル 2018年型を英国試乗
公開 : 2018.02.14 12:20 更新 : 2021.01.28 18:18
トヨタ・ランドクルーザーの2018年型に英国編集部が試乗しました。ライバルを挙げるならばボルボXC90となりますが、ランドクルーザーは「実用性を最優先」。乗り手によって大きく評価が変わるでしょう。
もくじ
どんなクルマ?
ー 「必要とするひとが買ってくれます」
ー エンジンやオフロード走破性の変化は
どんな感じ?
ー トヨタの「十分」 多少の音は当たり前
ー 内装は実用主義 ただし装備は充実
「買い」か?
ー 実用主義ならば5つ星 求めに応える
スペック
ー トヨタ・ランドクルーザー2.8 D4-Dインヴィンシブルのスペック
どんなクルマ?
「必要とするひとが買ってくれます」
トヨタ・ランドクルーザーの良いところは、「どこにでも」連れ出せるところだ。
確かに「どんなところにでも分け入ることができる」が、それだけではない。買い物、商談、狩り、建設現場、劇場、ポニー・クラブの試合。どこに行っても、何でもないかのように役目を務めてくれるということだ。
そんな感じで、この(少なくともイギリスでは)トヨタ最大かつ最も贅沢で高価でイカしたオフローダーは、とても気になる。多用途性も、クラスレスな性格もあるのに、「必要とするひとが買ってくれます」と自ら声高に主張しようとはしないのもいい。
さておき、このクルマは2009年に現行型になってから数回のマイナーチェンジを経たが、この2018年モデルでまたかなりの改良を受けた。この間、ほとんどのライバルはプラットフォームも含めて全く新しくなってしまった。
ライバルとは、ランドローバー・ディスカバリー(本拠地イギリス以外でも真っ向勝負だ)、日産パトロール(イギリスには入っていない)、ジープ・グランドチェロキー、ボルボXC90、そしてBMW、アウディ、メルセデスの「高級」志向SUV……というか結局大型4WD車全てだ。
しかしライバルがどうであれ、ランドクルーザーの本質は変わらない。特徴的なフレーム骨格は、今回捻り剛性が11%向上したという。その上に載るボディも、変わったのは冷却効率を上げるために細部が少し手直しされ、見切りをよくするためにフロントフェンダーが高くなった程度だ。
ボディは3ドアと5ドア、5人乗りと7人乗りがある。最高グレードの「インヴィンシブル」はその全てに用意され、5ドアで5万2295ポンド(782万円)というお値打ち感からイギリスでは一番売れている。
さらに、ランドローバー・ディフェンダーの販売が今のところ止まっているのに目を付けたのか、もっと廉価で道具的なグレード「ユーティリティ」も用意してきた。これは3ドアのMTが3万2795ポンド(491万円)から手に入る。まだトヨタも、多様な上屋を載せられる汎用的なフレーム構造のメリットを忘れてしまったわけではないようだ。