高速ワゴン頂上決戦 アウディRS4 vs メルセデス-AMG C63Sエステート編
公開 : 2018.02.17 10:10 更新 : 2021.01.30 21:38
RS4のエンジン形式は先祖返り
RS4のミサノ・レッドのペイントは、少なくとも直射日光のもとでは損をしている。ボディ全体が平板に見えてしまい、写真に写っているような隆々とした逞しさがなくなってしまうのだ。実際、そういう場所で見ると、グリルに付いている控えめなバッジにもかかわらず、これがトップレンジのRSモデルだとはにわかには信じがたい。そこへ行くとRS4の横に並んだメルセデス-AMG C63Sは、混乱させる名前ながら上品なブリリアント・ブルーのカラーにもかかわらず、仰々しくて立派に見える。
しかし、あくまで光の加減かボディカラーのせいに違いない。デイトナ・グレーやナバラ・ブルーのRS4であれば、他のミッドサイズのワゴンと同様、タフで筋肉質に見えるはずだ。しかし、RS4で不可解なのはボディの色合いだけではない。このアウディ最新の高速ワゴンには、どうにも納得できない感じが付きまとう。説明しよう。
RS4のエンジンは一周してまた元に戻ってきた。2006年から2015年までの第2世代と第3世代のRS4は、高回転型の自然吸気V8エンジンを搭載していた。加速するためだけでなく、鋭敏なスロットル・レスポンスやドラマチックなサウンドを楽しむためにスロットルペダルを踏み込みたくなるようなエンジンだった。今回の第4世代RS4ではこの4.2ℓV8を捨て去り、ツインターボV6に宗旨替えした。1999年の初代RS4のエンジン形式に先祖返りしたわけだ。