高速ワゴン頂上決戦 アウディRS4 vs メルセデス-AMG C63Sエステート編
公開 : 2018.02.17 10:10 更新 : 2021.01.30 21:38
スムースでバランスに優れるRS4
RS4はどうか。エンジンはもう少しレスポンシブだが、ドライバーの背中を蹴飛ばしたりはしない。AMGと同じくオプションのスポーツエグゾーストを付けているにもかかわらず、サウンドは不自然で面白みがない。フルパワーをかけると、鼻先にはまるでターボの代わりにスーパーチャージャーがついているように、時折すすり泣くような奇妙なノイズが聞こえる。
スムースなV6をリミットまで回しても、四輪駆動で各タイヤの負荷が減っているためドラマチックなことは何も起こらない。確かに効率的ではあるが、ほとんど印象に残らない。RS4はまったく面白みに欠けるクルマなのだ。
それでも見方によっては、RS4は最高のクルマでもある。ひとつには、先代のV8より30kgも軽いエンジンをより後方に搭載しているため、バランスが良いのだ。カーブにオーバースピードで入った場合でも、リアが緩やかに回り込んでアンダーを打ち消してくれるような感覚だ。アウディのワゴンでは滅多にない、素晴らしいフィーリングである。
限界まで攻めたときでも先代よりリラックスできるクルマだ。カーブを脱出するときのフィーリングも俊敏で素晴らしい。リアの外輪に駆動力を配分するRSスポーツデフが大きな威力を発揮している。
もうひとつ、先代のRS4から大きく進化したのは乗り心地だ。RSスポーツサスペンション(2000ポンド=30万円のオプション)を履いたこの最新モデルは、ガチガチに固かった先代と違い、荒れた道でもビロードのような乗り心地を提供してくれる。