クルマの複雑化 ディーラー整備「一極集中」に? 町のショップの現状は
公開 : 2018.02.17 00:00
アウディのスペシャルショップ
バッキンガムシャーにあるフォンテイン・モータースはアウディのスペシャリストとしてよく知られている。ここではSやRSといった高性能モデルの販売、メンテナンスや修理を行っているが、サービス・マネージャーのサニー・バームラによれば、アウディであればどのモデルにも対応するとのことだ。
フォンテインでは、主要なメンテナンスコストが670ポンド(10万3100円)にも上るV10のRS6のようなクルマも含め、アウディ全モデルに対応したメンテナンス価格表を準備している。
その5.2ℓエンジンも「メンテナンスさえ適切に行っていれば問題ありません」とバームラは言うが、このRS6は標準の560psに替えて710psを発揮するようにエンジン・マッピングが書き換えられており、ギアボックスに掛かる負担は相当なものであることに注意する必要がある。
「より新しいRS6は非常に信頼性が高いモデルです」と彼は付け加える。「走行距離64,000kmから97,000kmの車両を診てきましたが全く問題ありませんでした」
より魅力的なRS4もほとんどトラブルフリーだと言うが、カーボン詰りの原因となるクランクケース・ブリーザーへのオイル溜まりを防止するため、定期的な走行が必要となる。
V8のR8の主要なメンテナンスに掛かるコストは649ポンド(9万8600円)、B7世代のRS4の場合には549ポンド(8万3360円)である。フォンテインでは全ての作業でフォルクスワーゲン・グループの全ブランドに対応したウェブ・ベースの診断システムを使用している。
このシステムの使用料金は安いものでは無く、デジタルサービス用PCであるタフブックの価格が4000ポンド(60万7360円)、システム接続料金は1日あたり22ポンド(3340円)となっている。
つまり、フォンテインでのメンテナンスがディーラーよりも大幅に安いということはないが、常に最新のソフトウェアと診断ツールを使用することで、信頼性が高く、よりそれぞれの車両に合わせたサービスを提供することができるとバームラは言う。