クルマの複雑化 ディーラー整備「一極集中」に? 町のショップの現状は

公開 : 2018.02.17 00:00

ジャガーのスペシャルショップ

ケビン・ブラックレーはボービントンにあるジャガー専門店のチルターンでアフターサービスの責任者をしている。

チルターンでは長年に渡ってユーズド・ジャガーの販売とメンテナンス、それに修理を行っており、ブラックレーはそこから幅広い知識を得て来た。

「2006年頃のモデルから、中古の電気部品を使うのが非常に難しくなりました。それぞれが専用設計になっているからです」と彼は言う。「新しいモジュールにプログラムを入力したものを組み込むと、VINナンバーがロックされてしまうんです」

メモリーを消去する専門家もいるが、これにより基本的には中古部品は使用できなくなった。それにモジュールには走行距離データも記録されているため、彼が知る一般的な修理工場で中古モジュールを使ったところ、それだけで「その車両のオドメーターには64,400kmが加算されてしまった」のだそうだ。

こういった理由から、チルターンでは新品部品だけを使用しており、同社のメカニックたちはメーカーのトレーニング・コースにも参加している。

メーカーや正規ディーラーによる専用診断装置の独占を禁じた新たな規制が導入されて以来、彼らはこういった専門サービスを提供できるようになった。

「こうした専用診断装置無しにできる事はほとんどありません」とブラックレーは言う。つまり、今回訪問した他のショップと同じく、チルターンでもメーカーのメンテナンス用有料サイトを利用しており、ジャガーの場合、そのコストは1500ポンド(22万7760円)になる。

「アップデートのために毎年約500ポンド(7万5920円)を支払っています」とブラッドレーは話す。「今ではプログラミングによって多くの故障を直すことができます」

例えば、2004年式のXKで見られる1速から2速への変速不具合は、新しいプログラムで改善することができた。

おすすめ記事

 

人気記事