2017年の世界新車販売動向 データで見る市場の「勝ち組、負け組」
公開 : 2018.02.17 17:40
高級車ブームとスポーツカー需要の減速
中国での需要によって、高級車市場は昨年最も成長したセグメントになった。ポルシェとともに、キャデラックとリンカーンがこのセグメントの勝者である。
クルマ好きはスポーツカー市場におけるヒットなど望んでいないだろうが、シボレー・コルベットとフォード・マスタングの販売減がこの市場への打撃となった(「スポーツカー いくつかの市場では需要が縮小」参照)。
ワンボックスとワゴンモデルはさらに台数を減らしており、SUVモデルの販売が約12%増えた一方、これらMPVは世界的に約10%の販売減となっている。
2017年にはおおよそ2760万台のSUVモデルが販売され、世界全体の販売台数の1/4を占めるまでになった。
EVは販売増だが、市場シェアはわずか
2017年には全世界の新車販売におけるEVシェアが1%に達したとして、バッテリー駆駆動EVが市民権を得つつあることの証明として多く報道された。しかし、JATOのデータによれば、これは事実ではないようだ。
「最終的な数値はまだ確認中です」とJATOのグローバル・オート・アナリストであるフェリペ・ムニョスは言う。「確定前の数値ではEVの販売台数は581,000台であり、これは世界の市場シェアの0.8%に相当します」
つまり、EVが定着したと考えられる重要なポイントである1%に近づいてはいるものの、まだ到達はしていないということだ。
初代モデルの最終年となった日産リーフは、EV販売台数1位の座を、より安価な中国のBAIC ECに譲ることとなった。あまり知られていないこのクルマは、20kWのバッテリーを積み、1万7000ポンド(258万1280円)から購入できる中国製EVモデルである。
さらに、より高価なテスラのモデルSもリーフの販売数量を上回っており、これはテスラの販売戦略が上手くいっていることの証明でもある。