2017年の世界新車販売動向 データで見る市場の「勝ち組、負け組」
公開 : 2018.02.17 17:40
高級車市場の拡大 中国が牽引
あまり知られてはいないが、世界的な高級車市場で成功しているのがキャデラックである。欧州ではほとんど目にすることはないが、この米国ブランドは世界の高級車売上ベスト10に3台を送り込んでいる。JATOダイナミクスの分析では、これは中国の超富裕層の急速な増加によるところが大きい。
メルセデスの強力なブランドであるSクラスが販売数トップを維持したが、昨年はキャデラックXTSに対するリードを減らした年となった。リンカーンを含めるとトップ5に米国ブランドが2つもランクインしている。ではロールス・ロイスとベントレーはどこにいるのだろう? 両者には価格と生産規模の問題があるのだ。
さらに考察を進めてみよう。レンジローバーをこのリストに加えれば、トップ3にランクインする事になる。そしてジャガーの場合、完全な電動化モデルになると予想されている発売間近の新XJセダンがトップ5に食い込むには、25,000台以上の販売台数が必要になる。
新興市場 2017年に7%の伸び
新興市場と目される12カ国全体で販売台数は7%の伸びを見せ、昨年は素晴らしい年だったと言えるだろう。
インドは販売数を40万台伸ばし、ドイツを抑えて世界第4位の自動車市場となった。これまで新興市場は不安定な経済状況によって、時に新車販売の急減に見舞われるなど翻弄されてきたが、JATOによればそれも過去のことだと言う。
今年、新興市場では各メーカーによる主導権争いが繰り広げられることになるだろう。フォルクスワーゲンとトヨタは現在のマーケットリーダーであるルノー-日産に近づくことはできるだろうか?