2017年の世界新車販売動向 データで見る市場の「勝ち組、負け組」
公開 : 2018.02.17 17:40
EU市場復活 ドイツがトップ、英国は減速
イタリア、スペイン、ポーランド、更にはドイツとフランスでの販売増が、欧州新車市場の回復につながった。市場規模ではドイツが3,432,928台でトップを占めている。JATOによれば、欧州29カ国中23カ国でSUVが最大の市場シェアを確保しており、11%減となったMPVからの乗り換えが多いと言う。
「欧州経済の多くが安定したことで、消費者心理を押し上げています」とムニョスは話す。債務危機によって経済が崩壊したギリシャでさえ、15%の販売増となっているのだ。しかし、2018年に向けてはいくつか危険な兆候も見られる。イタリアの昨年販売実績は、ディーラーによる自社登録によって水増しされたのではないかとの疑念が出ているのだ。
自動車産業の終焉の国も
昨年オーストラリアに唯一残っていた自動車工場が閉鎖された。何が間違っていたのだろうか? 「2006年を境に豪州製モデルへの需要は減り続けていました」とムニョスは言う。彼によれば3つの大きな理由があるとのことだ。
第1の理由は自国市場向けで輸出不可能なセダンとピックアップモデルを生産していたこと。第2に市場が求めていたSUV生産に切り替えることができなかったこと。SUVが自国市場で45%を占めているにもかかわらず、豪州で生産を行ったSUVモデルはフォード・テリトリーだけだった。
そして第3の理由として、ムニョスは自動車分野における自由貿易協定政策の失敗を挙げる。その結果、例えばタイはピックアップモデルに関して、地域の輸出ハブとしての地位を確立することができたのだ。