メルセデス・ベンツ新型Gクラス 統括責任者インタビュー
公開 : 2018.02.17 11:40
Gクラスへの投資 その価値があったか
Gクラスにとっての最大マーケットは米国であり、ドイツ、日本、中国、ロシアと中東がその後に続く。
ロンドンでも最も裕福な地区を走るGクラスのオーナーたちが、このクルマが持つオフロード性能を使い切るようなことは決してないだろう。だからこそグーテンケは中東のオーナーたちが好きなのだ。
「中東では実際にGクラスを砂漠に連れ出して、その能力を発揮させてくれます」と彼は語る。「多くのひとびとがGクラスの性能を評価してこのクルマを選びますが、実際にはその能力の一部しか使っていません」
平均的なGクラスのオーナーは3台から4台のクルマを所有しているとグーテンケは言うが、一方で新型は「1台しかクルマを持たないオーナーにも完全にフィットします」とも話す。
いまのところ、グーテンケは今年後半に始まる顧客へのデリバリーに備えて、Gクラスの「円滑な生産立上げ」に注力している。
しかし、一方で彼はコンバーチブル・バージョンやハイブリッド、更に多くのバリエーションモデルについても検討を進めている。
「検討開始から2年でメルセデス-マイバッハG650ランドレーの開発をおこなった実績が示すように、われわれは非常にフレキシブルなチームです」
グーテンケによれば、コンバーチブルについては多くの議論が交わされているということだが、一方でこのモデルには多額の投資が必要になることにも注意しなくてはならないとも言う。
「それなりの数の確実な需要があるかどうか見極める必要があります」
デトロイトでの発表の際、メルセデスのボスであるディーター・ツェッチェは完全なEV仕様のGクラス登場を仄めかしていたが、その登場までには最低でも5年は必要だろう。一方でツェッチェはハイブリッド・モデルが早期に登場することを認めている。
ではGクラスへの投資にはその価値があったのだろうか?
ツェッチェは言う。「販売数をGLAと比べるなら、馬鹿げた判断に見えるでしょう。しかし、その収益性を知れば、笑ってなどいられないはすです。われわれにとってGクラスとは非常に素晴らしいビジネスであると同時に、ラインナップにこのような象徴的なモデルが存在するという意味は大きいのです。それはモデル構成にとってと言うだけでなく、メルセデスというブランド全体にとって素晴らしい価値があるのです」