回顧録 ロータス2イレブン vs アリエル・アトム300 vs エルフィンMS8クラブマン vs ケーターハムR400 vs ブルック・ダブルR 前編
公開 : 2018.02.18 11:20 更新 : 2018.02.18 20:08
期待のロータス2イレブンをテストする機会に合わせ、ライバルのハードコア・スポーツカーも連れ出し、延べ900kmのロングツーリングで雌雄を決します。過激なクルマたちのグループテスト。『AUTOCAR JAPAN』54号からの再録です。
もくじ
前編
ー クレイジージャーニーの始まり
ー ロータスとの対話
ー ロータス史上最大級の刺激
ー 恐怖さえ感じさせるエルフィン
後編
ー ブルックは21世紀のスーパーカー
ー 古典的な味わいのケーターハム
ー 二者択一
ー 勝敗やいかに
クレイジージャーニーの始まり
月曜日の朝4時半。私はロータス2イレブンに乗り込み、ブライトンから西ウェールズへと向かった。そしてその5時間後、世の中のナンバープレートの付いたクルマのなかでは最高に刺激的でクレイジーな4台と合流した。
イングランドの南海岸からウェールズの西海岸まで行って帰ってくると900km近くに達する。もし好きなクルマを選んでいいという選択権を与えられたら、たいていの人はパワフルで快適なサルーンを選ぶはずだ。座り心地のいいシートと高級なオーディオシステム、快適な空調、そして洗練された乗り心地と優秀なハンドリングを備えたクルマ。そう、メルセデスSクラスかジャガーXJあたりだ。
ここはあえて結論を先に言ってしまおう。私は対極にある原始的なクルマを選んだ。ルーフもなければ、ドアもない。ウィンドスクリーンは一応付いてはいるが、下半身に風が直接当たらない程度の防風性しか持たないハードコアなスポーツカーを。われわれは現行の市販車のなかではもっともクレイジーなクルマばかり5台、とっかえひっかえ延べ18時間に渡って狂ったようにドライブした。
疲れたのは確かだが、安楽なサルーンにすればよかったとは少しも思っていない。もう一度やれと言われたら、たぶん喜んでやると思う。それほどまでに、この手のハードコアなスポーツカーがもたらしてくれるスリルは強烈なのだ。