回顧録 ロータス2イレブン vs アリエル・アトム300 vs エルフィンMS8クラブマン vs ケーターハムR400 vs ブルック・ダブルR 前編

公開 : 2018.02.18 11:20  更新 : 2018.02.18 20:08


ロータス史上最大級の刺激

2イレブンは過激なクルマである。単にエリーゼをスパルタンに仕立てただけのモデルではない。事実上、まったくのニューモデルといっていい感覚である。ドライビングポジションひとつとっても、エリーゼやエキシージとはまるで違う。着座位置はとても低く、小さなスクリーン越しの視界と、3つのグループCカー風ミラーが特徴的だ。そしてスロットルペダルを踏み込むと、ロータスのこれまでのいかなるモデルとも違う加速が襲ってくる。エスプリV8のもっとも過激な仕様でさえ、この2イレブンにはかなわない。  

高速M4号線でも、2イレブンはロケットのごとく速く、身軽だった。レーンチェンジのときには、隣にほかのクルマがいなくなるまで待ち、加速するだけでいいのだが、スーパーバイクが追い越し車線を突進してこないことを祈らなければならない。2イレブンには後方視界というものが皆無に等しい。ミラーが3つもあるじゃないかって? 気にする事はない。あれはほとんど飾りだ。  

2イレブンが本領を発揮し始めたのは、ランデブー地点まであと30kmほどのところで高速を降りてカントリーロードに入ってからだった。ハンドリングは驚くほどシャープで、コーナリングスピードも異様に速いが、同時に高いドライビングスキルが求められる。ステアリングは正確だから、コーナーのアペックスにピタリと狙いを定められるし、余計なキックバックもほとんどない。 強力なブレーキのおかげで瞬時にスピードを落とすことができる。ABSの介入が早すぎると感じる場面もあったが、それも飛ばしすぎの警告のサインだと納得できる範疇にある。  

ほかの4台とのランデブー地点に到着して2イレブンから降りたとき、私の目は血走り、心臓はバクバクいっていた。5時間におよぶ2イレブンとのドライビングのラスト30分間は、最高にハードでご機嫌なドライビングだった。最初の使命を全うした私は久しぶりに興奮していた。

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