回顧録 ロータス2イレブン vs アリエル・アトム300 vs エルフィンMS8クラブマン vs ケーターハムR400 vs ブルック・ダブルR 後編
公開 : 2018.02.18 19:40 更新 : 2018.02.18 20:07
古典的な味わいのケーターハム
今やすっかり地味な存在になってしまったのがケーターハムである。ここ何年かのあいだに登場したライバルの数を考えれば、まあそれも仕方ない。だが、セブンと同じドライビング体験ができるクルマはいまだ存在しない。R400はこのグループで最速ではないし、もっともハンドリングが優れているわけでもないが、依然として初代セブンのフィロソフィーに忠実なクルマであり、相変わらず独特の好ましいフィールを持っている。
R400は昔ながらのドライビングスタイルで走らせるのが正しく、そうすれば最高に愉しめるクルマだ。前後輪ともに2イレブンやアトムほどグリップが強力ではないので、当然、コーナーではタイヤが滑り始めるスピードは低い。しかしその挙動が極めて素直なため、アンダーステアやオーバーステアが現れても大きな問題とはならない。セブンのドライビングの醍醐味はまさにそこにある。特に右足で215psを操るこのモデルではなおさらだ。
今回のテストでR400に関してなによりも驚いたのは、このグループのなかで文句なしにもっとも実用的なクルマであるということだ。ケーターハムに対してこんな評価が下される機会は滅多にない。
サイドスクリーンを装着すると、高速道路ではアトムや2イレブン、ブルックに比べて遥かに快適に走れる。トランクと呼べるようなスペースが一応備わるのもこのセブンだけだ。ちょっとした勇気があれば、日常生活でも十分使えるだろう。それを2イレブンやアトムやブルックでやるのは正気の沙汰ではない。エルフィンでやったら友達をなくす。