試乗 BMW 6シリーズ・グランツーリスモ 直列6気筒ガソリン「640i」
公開 : 2018.02.22 10:10
エアサスペンション/燃費に問題あり
エンジンとシャシーは上手くマッチしているものの、全てにおいて調和がとれている訳ではない。
このクルマは5シリーズGTにくらべ、おおよそ115kgほど軽量に仕上がっており、その見た目とは裏腹に、ハンドリングは切れ味鋭く、その優れたボディコントロールとトラクション性能、さらにはエンジンのトルクによって、路上でのコントロールは極めて容易、コーナーでも安定している。
この安定優先の落ち着き払ったキャラクターは、このクルマがBMWのラインナップ中で7シリーズの弟分に位置付けられていることによるものだろう。
しかし、エアサスペンションがこのBMW製大型サルーンのフィールを上手く伝えることに失敗しており、自然なボディの動きをわかりにくくさせている。
7000ポンド(106万2880円)を支払って、リア2輪だけを駆動する630iから4輪駆動の640iにすると0-100km/h加速はちょうど1秒速い5.3秒となる。これは実用的な装いを持つセダンとしては、不釣り合いなほど速いタイムだと言えるだろう。
誰も気付かないうちにミドルレンジを越えてさらに速度を上げていく様子は、まさにこのパワートレインの真骨頂である。
一方で問題があるとすればその燃費性能だ。われわれが最初にロードテストを行ったxDrive付きの630dが19.5km/ℓを記録した一方、この640iでは12.4km/ℓに留まった。