燃費の試験方法、NEDCからWLTPへ 見えてきた導入後の課題
公開 : 2018.03.03 07:10 更新 : 2018.03.03 10:41
燃費の算出方法が、WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedures)に変わってゆきます。燃費が現実的な数値と近づくというメリットがありますが、燃費不正などの問題を防ぐには、解決しなければならない課題があると言います。
ー NEDCからWLTPへ 実燃費と近く
ー 数値平均22%の悪化 今後の課題
ー おまけ WLTPにまつわる3つの数字
NEDCからWLTPへ 実燃費と近く
今後の数カ月間、ある日乗って帰った自分のクルマが翌朝には20%も環境に悪いクルマに変化しているかもしれない。
もちろんクルマ自体は前日と同じものだが、書類上の変化が起こるのだ。
「乗用車等の国際調和排出ガス/燃費試験法(WLTP)」に基づいて公道におけるテストで環境性能が評価されることになる。
これはとても複雑なテストであり、メルセデス・ベンツのエンジニアは今までのテストの2倍の時間がかかると考えている。また、今までのNEDC規則では2週間程度で済んでいた書類作成業務が1カ月もかかるものになってしまうと予想される。
新規則はNEDCでの環境評価と現実の燃費の乖離を減らすため2007年11月から国連欧州経済委員会で検討されてきたもの。したがってフォルクスワーゲンによる排出ガス不正のスキャンダルの直後にこの発表がなされたのは偶然にすぎないが、業界全体のイメージ改善のために急がれたのは事実だろう。
自動車製造販売協会(SMMT)会長のマイク・ホウズによれば、今後は公式の燃費数値に近い実燃費を達成できるだろうとしている。
ただし課題もある。